熱帯魚とリグレット
「そのう…今日の午後6時ごろって…私、暇な時間あったりします?」
ゆっくり、ゆっくり、恐る恐る聞いてみると
「ないね」
ばっさり、彼女はものすごいスピードでそれを切って捨てた。
「今日は正午から午後2時まで別の雑誌の撮影、午後4時から午後8時までは専属モデルやってる雑誌の座談会の企画で他のモデルと仕事だよ」
しかもスケジュール帳を見ることもなく言ってのけた。
全く優秀な方だ。
「あなたも知ってるでしょ?」
「…へい、そのとおりで」
私はため息を吐いた。
そう、知っていたんだ。
今日は忙しいことを、知っていたんだ。
万が一、時間が空いているかもしれないと思ったのに。
…ああ、残念だ。
今日は彼に会えない。
私が上京してから初めて会えるかと思っていたのに。
今日は、会えないんだ。
ゆっくり、ゆっくり、恐る恐る聞いてみると
「ないね」
ばっさり、彼女はものすごいスピードでそれを切って捨てた。
「今日は正午から午後2時まで別の雑誌の撮影、午後4時から午後8時までは専属モデルやってる雑誌の座談会の企画で他のモデルと仕事だよ」
しかもスケジュール帳を見ることもなく言ってのけた。
全く優秀な方だ。
「あなたも知ってるでしょ?」
「…へい、そのとおりで」
私はため息を吐いた。
そう、知っていたんだ。
今日は忙しいことを、知っていたんだ。
万が一、時間が空いているかもしれないと思ったのに。
…ああ、残念だ。
今日は彼に会えない。
私が上京してから初めて会えるかと思っていたのに。
今日は、会えないんだ。