熱帯魚とリグレット
「7時って…あと1時間ちょっとじゃん！」

「この雑誌の対談、たしか8時までよね」

「うわ、スウどうするの？」


2人の迫力におどろきつつも、私は冷静に答えた


「どうするも何も…仕事を優先するよ」


「「なんで！」」


二人は声を合わせて立ち上がった。


「え、いや、なんでって…むしろこっちが疑問なんですが」


そりゃ、仕事は大事でしょうよ。

それも大好きで大切な専属モデルをやってる雑誌の仕事なんだし。


「あのねえ、スウ！ モデルは可愛くてキレイじゃなきゃいけないの！」

「そうよ！ キレイで憧れてもらえるような存在になってこそモデルとしての価値があるの！」


2人はいきなり怒り出した。


「ええっ、ちょ、いきなりどうした？」


「可愛くキレイでいるためには、幸せで満たされた恋をしなくちゃいけないの！」


「は？」


「恋がうまくいってなかったらすぐに表情に出るんだから！分かる人にはバレバレよ！」


…さすが、モデル歴の長いお2人の話はとても説得力がある。

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