熱帯魚とリグレット
「それに今日のスウはおかしいよ! 元気もないし、ぼうっとしてるし!」


「今日は座談会よ? ぼうっとされてちゃ仕事にならないわよ」


2人のこの歯に衣着せぬ物言いは時々胸に突き刺さるけれど、なんだか暖かくも感じた。


「会いに行ってきなよ」


リナがジュースを片手ににっこり笑う。


「好きなひとと会いたいんでしょ?」


いつもはクールなメイまで微笑む。


「だけど、仕事が…」

「だーから、今のスウに仕事をきちんと無理なんだってば!」


渋る私の背中を2人はグイグイと押す。


「うわっ、えっ、ちょ、リナ、メイ!」


慌てふためく私に2人はそろって不敵な笑みを浮かべた。


「こっちのことは任せておいて」

「調子が悪くなって病院に行ったとか適当に嘘を言っておくから」


私は少し呆然としたが、頷いてその場を離れた。



もう、後のことなんて気にしない。


今はただ彼に会いたくてしかたがない。


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