熱帯魚とリグレット
次は東京というアナウンスが鳴り響いて電車から降りると、そこはたくさんの人で溢れていた。


あまりの人の多さに圧倒されたが、やっとの思いでなんとか改札を抜けれた。


しかし問題はそこからだった。


「どこに、いるんだろう」


あまりに広大な東京駅構内。

あまりに膨大な人の数。

ここからどうやって彼を探せばいいんだ。


途方にくれていたけれど、そこではっと思い当たった。


そうだ、ケータイ。


アドレス先から電話番号を呼び出して、電話をかける。


プルルルル、と電話がかかった音が聞こえてきて心臓は跳ね出した。


緊張で鼓動が速くなる。


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