熱帯魚とリグレット
今までのどんな称賛の言葉よりずっと、きみの「キレイだね」の言葉が嬉しい。


このために、きみに直接、面と向かって言ってもらう、このためにモデルを続けてきたんじゃないかとさえ思えてくる。


涙と一緒に「好き」の感情が心をいっぱいにして溢れていくような感覚があった。


「あのね、私、ずっと言いたかったことがあって」


ずっとずっと、後悔してきたこと。


「私、ずっと前から」


ずっとずっと、言葉にできなかったこと。






「きみが好きです」






たった2文字の、その言葉。

ずっと大事にしてきた、その感情。


それが溢れた、この瞬間。


嬉しいのか悲しいのか、自分でも気持ちは分からないけど、涙が溢れて止まらなかった。


彼はというと目を見開いていた。

< 20 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop