熱帯魚とリグレット
「ほんと、びっくりだよ」


きみはゆっくりとした口調でそう言った。


「え?それ、どういう……」


聞き返そうとするけど、それも言い終わらないうちに彼は私を抱き寄せた。


ぎゅっと強い力で抱き寄せられる。


バクバクと心臓の音がすごく大きく聞こえる。


きみにも聞こえているんじゃないかと思ってしまうほどに。


「え、あの、大丈夫?どうした?」


彼は何も言わないでただ強く抱き締めていた。


どうしたものかと思っていると急にパッと離した。


その顔は少し赤みがかっている。

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