熱帯魚とリグレット
「あの…」

「あーもう、なんで先に言っちゃうの?」


彼は後ろ髪を掻きながらバツが悪そうに目を逸らした。


「僕が言おうと思ってたのに」


「え?」


それから彼はじっと私の方を見た。






「好きです。

ずっと前から、好きです」





私は目を見開いた。



「きみはとっても優しくてキレイで、僕なんかとじゃ釣り合わないだろうけど……」

「そんなことない!」


私は自嘲するように哀しく笑う彼の手を握った。


「優しいのはきみだよ。

釣り合わないと思うのはむしろ私の方なんだよ」


ずっと届かないと思ってた。

釣り合わないと思ってた。


優しくてあったかい心をもつきみには、私なんかよりずっとお似合いの子がいると思ってた。


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