熱帯魚とリグレット
「僕はきみしかいないと思ってたよ」


彼は少し恥ずかしそうに答えた。


「今日、会えて良かった」


噛み締めるような彼の言葉に胸がぎゅっと痛くなる。


「今日、会えなかったら諦めようと思ってたんだ。

でも、良かった。

同じ気持ちでいられて」


彼は握った私の手を大事そうにぎゅっと握り返した。


私は嬉しくて涙が滲んできた。


涙が滲むのに頬は緩む。


嬉しい気持ちが胸をいっぱいにしていく。


「もっと一緒にいたいけど、もう時間だ」


彼は名残惜しそうな、寂しそうな表情を浮かべていた。


「あの、また電話していい?」


「いつだってきみの声が聞きたい」


彼はニッと笑った。


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