今ならやり直せる
寝室で寝ている夫の背中を見て考える。

いつも、夫を責めているが、こんなことになったのは、自分の責任だと重々承知だ。

ただ、それを認めてしまうと、自分の逃げ場がなくなる。

いつも恋愛は、適当な感じで、クリスマスが近いからとか、寂しいからという理由で、その時に告白した男性と付き合ってきた。

大きくタイプから外れていなければ、別にそれで良かったし、自分から好きになって告白したことは人生で一度もない。

数年付き合うと飽きてしまい、面倒になり別れて相手を傷つけてきた。

就職だって好きな分野を選んだわけでもなく、適当に入社し、最終的には会社に迷惑を掛けて辞めている。
夫と、簡単に寝たのは自分だ。

それらのしわ寄せが今、来ているのだろう。

それに気付いて、常にやり直したいと考え生きてきた。

やり直すために、本当にやりたかった仕事をして、働く姿勢も随分反省したつもりだ。

以前は、教わったことをルーチンとしてこなすだけで、それ以上の事はしようとも思わなかったし、余計なことをすると、その分“損”をすると思っていた。

今は、業務が始まる前、皆の机を拭いたり、倉庫で撮った花の画像を、サイトに載せられるようにページ作成の担当者に渡したり、自分が出来ることはやっている。

夫にも、栄養のバランスが整った食事を作っているつもりだし、気持ちが冷めても、手は抜いていない。

これからの人生、どうしたらいいのかを真剣に考え、結論を出そうとは思っている。

離婚という選択肢が一番先に思いつくが、それではあまりにも身勝手な気がして、その考えは打ち消した。

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