今ならやり直せる
派遣会社の登録を終えて、家路を急ぐ。
夫は、毎日決まって、九時頃に帰宅する。それ以上早くもなく、遅くもない。
だから、それまでに帰ってくれば妻が出掛けていたことさえわからない。
しかし、この九時というのは微妙で、友人と夕食に行くと気が気でない。
同級生達は働いているため、待ち合わせ時間は早くても六時で、その時間では皆が揃わず、集まるまでカフェで集合する。結局、七時頃から目的のお店に移動し、お酒も飲むので、二時間は滞在する。そうなると、もう既に九時。
都内から家まで四十分程かかるので、八時には店を出なきゃならない。それが億劫で、誘いを断るようになってしまった。
夫は、何の趣味もないが、食通で美味しい店にはよく出掛けていた。
その為、家での食事も、温かい物は温かい内に、冷たい物は冷たくして出すのを心がけ、あとからレンジで温めたりする事も極力避けてきた。
子供っぽいメニューはあまり好まず、作り置きできるカレー等は、ありま食べなかった。
結婚当初は一緒に食事をしていたが、いつからか、夫が会社から帰ってくる前に済ませるようになってしまった。
九時まで待っていられないし、出来たては一人分を出す方がラクだったからだ。
一緒に食べなくなっても、何も聞かないし、気にもとめていない。
派遣会社ですすめて貰った企業は、殆ど残業がないと記載があったので、それならば五時には終われるはずだ。
そうすれば、都内で二時間以上、ゆっくり過ごすことが出来る。買い物したり、友人とお茶くらい出来るだろう。
夕食を作り終える頃、いつもの時間に夫が帰宅する。
もういつからか「ただいま」も言わなくなった。
しかし「おかえりなさい」と毎回言ってしまう自分が可愛そうになる。
新聞を読みながら、黙って食事を取る。
「おいしい」と言う言葉は一度も聞いたことがないし、気に入らない物は、そっと残してあるので、どう気に入らないのかはわからない。
友人達には「何が不満なの」と言われるが、言い出したらきりがない。
確かに、収入は多い方だし、お金の心配はない。一軒家も結婚する前から購入されており、ローンも殆ど終わっている。
何も話さないので、文句や愚痴を言われるわけではない。
ただ、心は何も満たされていなかった。
夫は、毎日決まって、九時頃に帰宅する。それ以上早くもなく、遅くもない。
だから、それまでに帰ってくれば妻が出掛けていたことさえわからない。
しかし、この九時というのは微妙で、友人と夕食に行くと気が気でない。
同級生達は働いているため、待ち合わせ時間は早くても六時で、その時間では皆が揃わず、集まるまでカフェで集合する。結局、七時頃から目的のお店に移動し、お酒も飲むので、二時間は滞在する。そうなると、もう既に九時。
都内から家まで四十分程かかるので、八時には店を出なきゃならない。それが億劫で、誘いを断るようになってしまった。
夫は、何の趣味もないが、食通で美味しい店にはよく出掛けていた。
その為、家での食事も、温かい物は温かい内に、冷たい物は冷たくして出すのを心がけ、あとからレンジで温めたりする事も極力避けてきた。
子供っぽいメニューはあまり好まず、作り置きできるカレー等は、ありま食べなかった。
結婚当初は一緒に食事をしていたが、いつからか、夫が会社から帰ってくる前に済ませるようになってしまった。
九時まで待っていられないし、出来たては一人分を出す方がラクだったからだ。
一緒に食べなくなっても、何も聞かないし、気にもとめていない。
派遣会社ですすめて貰った企業は、殆ど残業がないと記載があったので、それならば五時には終われるはずだ。
そうすれば、都内で二時間以上、ゆっくり過ごすことが出来る。買い物したり、友人とお茶くらい出来るだろう。
夕食を作り終える頃、いつもの時間に夫が帰宅する。
もういつからか「ただいま」も言わなくなった。
しかし「おかえりなさい」と毎回言ってしまう自分が可愛そうになる。
新聞を読みながら、黙って食事を取る。
「おいしい」と言う言葉は一度も聞いたことがないし、気に入らない物は、そっと残してあるので、どう気に入らないのかはわからない。
友人達には「何が不満なの」と言われるが、言い出したらきりがない。
確かに、収入は多い方だし、お金の心配はない。一軒家も結婚する前から購入されており、ローンも殆ど終わっている。
何も話さないので、文句や愚痴を言われるわけではない。
ただ、心は何も満たされていなかった。