くちづけ~年上店長の甘い誘惑~
気をつかわれちゃったな…。

元婚約者にストーカーのようにつきまとわれているなんて言える訳がないよね。

掃除を再開しようとしたら、店のドアが開いた音がした。

「すみません、本日は閉店で…」

入ってきた客の顔を見たその瞬間、私の手からほうきが落ちた。

「和明…?」

和明は店の中に入ってくると、
「なあ、考え直してくれよ」

私に歩み寄ってきた。

「嫌だって言ってるじゃない!

何度言えばわかるのよ!」

和明に怒鳴ったけれど、彼は引き下がらなかった。

「俺が悪かった。

本当に悪いことをしたって思ってる。

だから、やり直してくれ」

和明が私の腕をつかんで、懇願するように言ってきた。
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