くちづけ~年上店長の甘い誘惑~
何と言う波乱な週末だっただろう…。

しばらくは禁酒を心がけることを誓った。

もう間違ってもあんな思いは2度としたくない。

たぶん…いや、絶対にその人とは会うことは一生ないだろう。

まぶしい太陽の光を躰に受けながら迎えた月曜日、私は勤め先である『藤岡紳士服店』のドアを開けた。

「おはようございまーす」

「はい、おはよう」

おじいちゃんの店長に迎えられると、ロッカールームに荷物を置きに足を向かわせた。

「おはよう、桃葉ちゃん」

「おはようございます」

ベテラン店員の中井さんが迎えてくれた。

「ねえ、今日新しい店長さんがくるんですって」

一緒に表へ向かっていたら、中井さんが話しかけてきた。
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