夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……。
ありがとう、アカリ…。」
気付いたら俺は、そう言っていた。
指輪を渡したあの時を思い出したら、自然と口から出た言葉だった。
一瞬自分の言葉に驚きながらも、
そう口にしたら胸が暖かくなって…。
自分はなんて幸せ者なんだろうと、思った。
アカリが望めば指輪なんて、
十個でも百個でも買ってやるのに…。
俺が造った値段の価値なんて全くない指輪を、こんなに大切に想ってくれる彼女。
そんな女性が自分の妻である事。
そんな素敵な女性に自分が愛されている事。
きっとこの先仕事でどんなに認められてもこれ以上を得る事が出来ない、
俺の男としての最高の勲章だと思った。