夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
【一週間後…。/港街】

「わぁ〜良い天気!」

今日はお店の開店からお仕事。
自宅から出て私は空を見上げながら、自分の首に掛かっているネックレスの指輪を握り締めた。
私の指輪じゃない。
私の指より大きな、ヴァロンの結婚指輪。

私が自分の指輪を失くした翌日。
出勤前のヴァロンが、
”俺が帰ってくるまで持ってて”って…。
ネックレスチェーンに通した彼の指輪を私の首に掛けてくれた。
また任務で暫く帰れないって言ってたから、きっとお守り代わりに渡してくれたんだと思う。
私が、ちゃんと笑顔でいられる様に…。


「……大丈夫。
今日も1日、頑張ってくるね。」

ヴァロンの指輪に私はそっと口付けると、パン屋さんまでの道のりを歩き出した。
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