夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
けれど、
ユウさんが続ける言葉が私の動きを止める。
「…恵まれてるよね。
見た目も良くて、仕事も出来て、女ウケもいいなんてさ。」
「っ……。」
その言葉にドクッと心が反応して、
私はギュッと自分の拳を握り締めた。
……恵まれてる?…違うよ。
ヴァロンはたくさん苦労して、苦しんで…。
辛い想いをたくさん乗り越えて、生きてきたの…。
「確かに上部は良い人だけど…。
みんな見た目に騙されてるよ。
あんな完璧な人、いるわけないし。」
「……ッ。」
っ…酷い……。
なんで、そんな事言うのっ…?
ユウさんの言葉に胸が震えて、
今にも叫びそうになる声を私は必死で抑えた。
ここで自分がヴァロンを庇う発言をすれば、
怪しまれてしまうかも知れない。
そう思った。
……でも、
ユウさんの止まらないヴァロンの評価に…。
私はついに耐えられなくなってしまう。