夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「…お時間は取らせません。
アカリの落とし物を返して下さい。」
「!っ……。」
ギルさんの言葉に僕は思わずビクッと揺れた。
彼が真っ直ぐ見つめていて、僕が指輪を持っていると確信している様だった。
「っ……知らないよ、指輪なんて。」
動揺を必死に隠して目を逸らすと、ギルさんが手を引っ込めてクスクスと笑い出した。
「!…な、何笑ってんだよっ…!」
やっぱりムカつく。
そう思った僕がキッと睨むと…。
「ははっ、わりぃ…!
だって俺、指輪なんて一言も言ってねぇのに…。
あんまり素直に引っかかるからさ…!」
そう言って無邪気に微笑む、彼がいた。
「!///っ……。」
さっきまでと全然違う雰囲気。
大人じゃなくて、子供みたいな笑顔。
思わず目を奪われる。