夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「……。
怒らないんですか?」

そう尋ねると、
ギルさんは頭を上げて首を少し傾けて意地悪そうに笑った。


「…別に。
俺もあんたの立場なら、同じ事したかも知んねぇからさ。
…そんだけアカリに惚れてたんだろ?」

彼のその言葉に、
不思議と心が軽くなる。


「アカリに惹かれる気持ちは分かるから…。
まあ、仕方ねぇや。
……。やらねぇけどな…!」

照れた様に微笑むその表情に、
アカリの言葉が蘇る。


すごく、優しくて。
格好良くて。
でも、可愛いところもあって。

彼の言葉は魔法みたいで…。
一瞬で、私を幸せな気持ちにしてくれて。

傍にいるだけで、
いつもドキドキさせてくれる…。
王子様みたいに、素敵な人。


……本当だな。
アカリの、言ってた通りの…人だ。
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