夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
アカリと知り合って暫くしたある日。
彼女が嬉しそうに見ていた白黒の新聞。
一生懸命、ある人物の記事を見てた。
幼い日に会った事があるんだと…。
伝説の、夢の配達人にもう一度会いたいと…。
いつも、恋する瞳で…眺めてた。
”ヴァロン”って、呼んで…。
どんな奴なのか知りたくて…。
アカリに内緒で必死に調べて…。
仕事の度に変装で姿を変えるヴァロン。
めったに写真を撮らせないヴァロン。
本当の姿を、ようやく知った時は驚いた。
色素の薄い、
まるで人ではないかの様な…美しさ。
こんな人がいるんだと、心に焼き付いた。
……。
そっか。
アカリ、逢えたんだな。
初恋の人に…。
僕が恋したアカリの笑顔は…。
いつだって、
”ヴァロン”に恋をしていた…姿だったんだ。