夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……断れない。もう決めた事なんだ。
契約も成立して、あとは行くだけだから。」
射る様な、眼差し。
迷いのないヴァロンの瞳。
嘘をつかない彼。
一度決めた事は、曲げたりしない。
「……私も、一緒に行くのは?
傍にっ…いるのも、ダメ…なの……?」
なんとか冷静になろうとして、
私は必死に涙を止め様として尋ねた。
「…俺は依頼人の元に住み込みになる。
少し治安が悪いから、
そんな場所にアカリを連れて行けない。」
そう言ったヴァロンが、顔を歪ませていた。
……分かってる。
優しい彼が、
自ら私が悲しむ様な事をするハズがない。
どうしても断れなかった。
ヴァロンにしか出来ない、依頼なんだ。
彼も、辛いんだ。