夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「?……俺に?」
振り返った俺にジジイは紙を差し出してきた。
それは俺達夢の配達人の成績が記された資料だった。
名前と階級と実績や報酬などの詳しい評価が書かれた物。
中でも引き受けた依頼の難易度が一番重要で、ジジイが順位を決める。
「……。
成る程、ね……。」
俺にはパッと見てジジイの言いたい事が分かった。
俺の言葉に、
”まさか”とシュウも隣に来て資料を覗き込む。
俺は白金バッチになってから成績は常に1位を守っていた。
この17年、他の白金バッチの二人にも負けた事なんて一度もない。
……けど、今年度の俺の成績は…。
「……ディアスが、例の仕事を成功させた。
金バッジのあやつが、お前達白金バッチと同等。
…いや、それ以上の成果を上げた。
ワシはマスターとして、あやつの成果に値する階級をやらなくてはならん…。」
ジジイが、俺を見つめる。
俺は視線を合わせてフッと笑った。