夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
……。
そんな私に優しくしてくれた、男の人。
5歳の時。
夜、独りきりで留守番をしていた私の元に貴方は現れた。
手を繋いでくれて、私が眠るまで傍に居てくれた。
お母さんとは違うその存在に、
ドキドキと胸を弾ませた…私の初恋の人。
ヴァロン。
男の人の優しさも暖かさも、教えてくれた。
大きな手で頭を撫でてもらえる喜び、逞しい腕に抱き締めてもらえる安心感。
そして、愛おしく想う幸せな気持ち。
恋をして、結婚して…。
傍に居られたらそれだけで満足だった。
……けど。
一緒に過ごすうちに、彼への想いが強くなる度にワガママになっていく自分がいる。
”私だけを、見てほしい”…。
リディアさんの存在を知った時。
苦しんでいたヴァロンを見て、
”過去の事を気にするのはやめよう”って思ったんだ。