夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
【朝/自宅】

「……。」

眠ったのか、
眠っていなかったのか分からない。
ヴァロンが一緒にいない広いベッドで私は布団に包まっていた。
契りを交わすようになって以来、彼が帰宅した夜は絶対に私の傍にあった愛おしい温もり。

……それが、ない。
いくら布団をまとっても寒い。


ヴァロンは明け方に家を出て行った。
出掛ける仕度をしている彼の気配に気付いていながら、見送らなかったのは初めての事。
出掛ける間際に寝室を覗いて、「行ってきます。」と小さな声で言ってくれた彼を…私は無視してしまった。


「……っ…。」

たくさんの後悔が押し寄せる。

”大っ嫌い”なんて、
どうして言っちゃったんだろう…。

あの時のヴァロンの表情が、頭から消えない…。


「……っ!?」

気持ち…悪ぃ……ッ。

私はベッドから起き上がると洗面所に駆け込んだ。
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