夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
吐き気が込み上げてくるが、結局昨日もほとんど何も食べていない状態で寝てしまった為吐く物なんてない。
それなのに治らない不快感に私はうずくまったまま動けないでいた。
「っ……。
もぅ、やだ……ッ。」
気持ちが不安定で、苦しくて、辛くて…。
湧き上がってくるのが嫌な感情ばかり。
知らなかった。
赤ちゃんを身籠る事の重さ。
嬉しくて、幸せな事ばかりだと思っていた。
……。
きっと私は、純粋に赤ちゃんを望んでたんじゃない。
心の何処かでリディアさんに負けたくなかったんだ…。
ヴァロンの子供を産んでいた、彼女に…。
彼の過去を知ってから、
受け入れた聞き分けの良いフリをして、本当はずっと心に引っかかってて…不安で嫉妬してた。
比べる事なんて出来ないのに…。
リディアさんより、ヴァロンに愛されてるって。
大切にされてるって、思いたくて…。
赤ちゃんが出来れば安心出来るって、馬鹿な事を…きっと思ってた。
母親になるという事に自分の覚悟が足りなかったと、実感する。