夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
……それに。
お仕事が忙しい時期に妊娠なんて、ヴァロンはどう思うんだろう?
きっと私が妊娠していないと思ったから長期任務を決めたに違いない。
それなのに今更、赤ちゃんが出来てたなんて…。
喜んでくれるどころか、
彼の負担になってしまうかも知れない…。
「……なんで、っ…。
妊娠しちゃったんだろう……っ。」
涙がポタポタと頰を伝う。
こんな事になるなら…
赤ちゃんなんて、いらなかった…。
不安が押し寄せて、思わず脳裏に浮かぶ気持ち。
……。
「っ……。
嘘、だよ。ごめんね…。」
一瞬でも赤ちゃんに当たった自分が嫌だ。
私は首を横に振りながらそっと自分のお腹に触れた。
ヴァロンの赤ちゃん。
ヴァロンと愛し合って出来た大切な命。
私がしっかりしなきゃ…。
私が守ってあげなくちゃ…。
「……弱いママで、ごめんね。」
私は涙を拭い、なんとか吐き気が落ち着いた時を見計らってゆっくり立ち上がるとダイニングキッチンへ足を進める。