夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
…すると。
私の目に映ったのは、
食事のテーブルの上に置かれた林檎。
お皿の上で、器用に皮を剥かれて兎の形。
「……。可愛い。」
幼い時に母に作ってもらったのを思い出す。
……でも、違う。
今私にこんな事をしてくれるのは、彼しかいない。
「っ……ヴァロン。」
涙が溢れてきた。
あんなに酷い事言ったのに…。
私は彼を傷付けたのに…。
私は買い物で林檎を買ってきていた覚えなんてない。
昨日あれから、
夜中に買いに行ってくれたんだ。
”気分が悪いの!もう放っておいてっ…!!”…。
ベッドに閉じこもってあれ以上ヴァロンの話を聞こうとしなかった私が言った言葉。
何も食べずに寝てしまった私を心配して、
彼が用意してくれた兎の形に切られた林檎。
その横には、メモ書きが添えられていた。