夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
知らなかった。
私との結婚生活がヴァロンの仕事の評価に響いていた事。
ヴァロンが私との時間を作る事で、
大切な夢の配達人としての時間を削っていた事。
「っ……すみません、でした。」
忙しい中、ヴァロンが必死に作ってくれていた私との時間。
それなのに…。
私は自分の寂しい気持ちに負けて、我が儘を言った。
「……何故、謝るのかね?」
俯いたままの私にマスターさんの声が聞こえる。
夢の配達人の妻としての心構え。
ヴァロンとの結婚前にマスターさんやシュウさんに色々と聞かされていた。
それ故に、
彼と一緒に生きてくって決めたのに…。
私は酷い事を言って彼を傷付けた。
自己嫌悪で問い掛けに上手く答えられないでいる私に、マスターさんが言葉を続ける。