夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……ワシはね、アカリさん。
ヴァロンはこのままでも良いと思っとる。」
「……。え……っ?」
マスターさんの意外な言葉。
私が顔を上げると、
そこにはマスターさんの優しい笑顔があった。
「…もう、17年じゃぞ?白金バッジになって。
そして夢の配達人になってもう20年以上、あやつは人の為に時間を使ってきたんじゃ。
生きている人生の半分以上を、人の夢に捧げて…生きてきたんじゃ。
そろそろ自分自身の幸せを見つけて欲しい。
…そう、ずっと思っておった。」
思い返す様にヴァロンの事を話すマスターさんの瞳。
とても優しくて、暖かい。
まるで、愛する息子の事を語る…父親のように私の目に映る。