夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
するとマスターさんは、
私にもう一枚紙を見せる様に机に置いた。
ヴァロンの名前が書かれた、依頼書。
「これが…。
ヴァロンが今回の依頼を受けた本当の理由じゃ。」
マスターさんの言葉に依頼書を上から読んで行くと…。
私の目に止まるのは、依頼人の…名前と会社。
「……。
私の、嫁ぎ先だった…人?」
ポツリと呟く様に口にした瞬間…。
全てが私の中で繋がった。
これがヴァロンが、
”断れない”と言った理由だと。
「…アカリさんとの婚約が破談しても、
祖父アルバート様との友好関係を存続させる。
相手側はな、その条件をなかなか飲もうとしなかった。
そして、ヴァロンの正体に気付いた相手は交換条件を求めてきたんじゃ。
”私の夢を一つ叶えろ”とな…。」
気付いた様な私にマスターさんが教えてくれた。
この依頼を受けた時のヴァロンの決意。