夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

アランの父親は優秀で人望も厚かったと聞く。
アルバート様はその息子であるアランなら大丈夫だと信頼してアカリの嫁ぎ先に決めたに違いない。

…けれど、このアランが受け継いだのはどうやら仕事に対しての優秀さだけ。
そして、父親とは全く違うやり方。
冷徹で血も涙もない。
邪魔だと思う者には容赦がなく、奴に逆らえば長年契約を結んでいた会社、部下達も簡単に切り捨てられる。

半年前に父親が突然死して跡を継いだらしいが…。
色々と、厄介な人物だ。


「綺麗な顔だよね?
君ならどんな女も選びたい放題でしょ?
それなのに、あの小娘にこだわるって事は…。
相当、抱き心地が良いの?」

挑発する様に、アランの笑っていない灰色の瞳が俺を間近で見つめてくる。
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