夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……君は賢い。
本当は私の事なんて殺したいだろ?」
アランの手が俺の手を取り、
自分の首を絞めさせる様に添えさせる。
「どうぞ?今なら目撃者もいない。
ヴァロンなら出来るんじゃない?完全犯罪。」
そう言ったアランは本当に俺に身を任せる様に力を抜いて、無抵抗。
俺が本気になれば、間違いなく仕留められる。
……。
けど…。
俺が相手を許せない程怒る原因がアカリなのと同時に…。
俺を鎮めてくれるのも、また彼女だ。
血に塗れた汚い手で、
アカリに触れる事なんて俺には出来ない。
彼女はきっと俺が殺人犯になっても一緒に居てくれるだろう…。
俺に変わらず笑顔でいてくれる。
……。
俺はアカリの元に帰ると、約束した。
ずっとずっと、守り抜く。
「…せっかくの機会ですが。遠慮します。」
俺はアランの首から手を放し、サングラスを奪い返すと身に付けて鞄を手に持った。