夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
”ヴァロン”…。
シュウさんがその名前を呼ぶ声が、可愛い。
まるで、女の子が好きな男の子に慰められて泣きじゃくって甘えているみたいだった。
当然かな、って思った。
病室の外で聴いていた二人の会話。
…ううん。
ヴァロンさんがシュウさんに言った言葉。
どれも素敵過ぎて、格好良い。
聴いている私までドキドキしてしまった。
……。
でも、負けたくない。
私はこの時初めて、悔しいと思ったの。
私にはヴァロンさんの様には出来ないけど…。
私は、シュウさんが大好きだもん。
その気持ちだけは、誰にも負けたくなかった。
”シュウさんの病を治してあげたい。”…。
私は医者になる事を、決めた。
たくさん勉強して、試験を受けて…。
研修も人一倍熟して、
私は隠れ家の医療施設の医者になる事が出来た。
そして、22歳になったある日…。