夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「……。
依頼人の夢を叶える事は、他の配達人でも出来る。
…じゃがな。
アカリさんの事を支えられるのも、お腹の子供の父親もお前しかおらんのだぞ?」

静かに響くマスターの声が、悲しそうだ。


「そんな事も分からんのなら、そんなに仕事が大切ならっ…。結婚せず、ずっと独身でおれ。
家庭を持つ資格も、父親になる資格も…お前にはない…ッ。」

マスターは俺にそう言って、背を向けて歩き出した。


「……仕事の最終決定を下すのはワシじゃ。
シュウ、ヴァロンは明日から休暇。
全ての仕事のキャンセル手配を頼む。
問題が起きたらワシに全て回せ。」

「……はい。了解しました。」

シュウは返事すると、マスターとその場を去って行った。

残された俺は、ホノカさんに案内されてアカリの病室へ向かった。

〈回想終了〉
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