夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「……。」

俺は机の傍に置いてあった仕事用の鞄の中から、ファイルを取り出して仕事を始めた。
自宅でも出来る簡単な事務的な依頼の仕事。

マスターには予定していた仕事を全てキャンセルさせられた。
ここを離れて任務地に向かう仕事はバレたらまた却下されてしまう。
だから俺はシュウに頼んで、アカリの傍を離れなくても済む仕事を貰ってきた。

……けど。


「……いくつやっても、時間が余るわ。」

あっという間に終わり過ぎて、苦笑いが漏れる。
一番下の階級の青銅バッジの時ですら楽に熟していたレベルの仕事。
大切な依頼を簡単と思うつもりはないが、どんなに丁寧に進めても…物足りない。


”持ち帰った仕事もう終わる。
次はもう何件かまとめてでもいいぞ。”

通信機にメッセージを打ち込んでシュウに送信すると、すぐに返信がくる。
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