夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
マスターよりもひと回り以上年下だったシュウの母親。
”何でも屋”として忙しく世界中を飛び回っていたマスターは結婚する気はなかったが、ある仕事の最中に知り合った女性と関係を持った。
しかし、マスターは仕事に夢中で彼女の妊娠にも気付かず…。
女性は一人で子供を産んで、亡くなった。
その女性がシュウの母親。
悔やんだマスターは何でも屋を辞めて自分は新たな何でも屋を育成する立場に代わり、シュウをずっと男手一つで育ててきた…。
「……多分父は、母とアカリさんを重ねてしまったんです。
そして、自分と同じ後悔を…。
ヴァロンにしてほしくなかった……。」
黙って話を聞いていた俺に、シュウが頭を下げる。