夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
マスターが示した道を、俺が選ぶ必要もなければ…。
アカリはリディアとは違う。
リディアとは見られなかった未来を、築けなかった家庭を…アカリと見たいと思った。
…けど、それは間違いだ。
リディアはリディア。
アカリとの未来は、俺と彼女が2人で築き上げるものだ。
悩んでいた答えがようやく出そうな気がした俺に、シュウが口を開く。
「……。
長期任務は、キャンセルしていませんから…。」
「!……は?」
まさかの言葉に俺が驚いて顔を向けると…。
「短期の仕事は問題なく他の配達人に引き継ぎしたんですが…。
アラン様との契約はギリギリまで保留にしています。
……マスターには内緒でね?」
シュウは人差し指を立てて口元に当てながら、悪戯を企む子供みたいに笑って言った。
「…お前、そんなキャラだっけ?
ジジイにバレたら怒られっぞ?」
クスクス笑う俺を見て、シュウが微笑む。