夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
【繁華街】

「……。」

楽しいデートの筈が、俺は一人で休憩所の椅子に座ってアカリを待っていた。
一緒に買い物するのかと思いきや、着いた早々…。

”一人で見たい物があるの。ヴァロンは少し待ってて!”
そう言ってアカリは行ってしまった。


一人で見たい物、か…。
まあ、女の子なんだし男と一緒じゃ買い辛い物もあると思う。
でも、何もデートの時に買わなくても…。

ハッキリ言って暇だった。
こうしてじっと待っているのも、苦手。
本当に、仕事が関係しないとつまらない男なんだと自分で実感する。


ふぅ…っと溜め息を吐いて、テーブルに頬杖を着いて俯いていた顔を上げると…。
視線の先にアカリを見付けた。

やっと戻ってきたか。
何を買ったのか小さな可愛い手提げの紙袋を大事そうに抱えて、幸せそうに微笑んでる。
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