夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「初めて、帰りたいと思った…。
お前の暖かさに出逢ってからずっと、っ…俺は帰る場所を…アカリを捜してたんだ……。」

優しい声、暖かい鼓動が教えてくれる。
ヴァロンがどれだけ私を愛してくれているか。


「……うん。」

私も、待ってたよ。
子供の時からずっとヴァロンを待ってた。
この家に住んでいれば、いつかまた来てくれるって思ってたの。

だからお母さんが亡くなって、お祖父様の別荘に連れて行かれた時…。
胸が張り裂けそうな位に、辛かった。

……でも。
貴方は来てくれた。
私が大変な時、寂しい時、辛い時…。

いつだって私がピンチの時に駆け付けてくれる、王子様だった。


だから、信じる。
ヴァロンは嘘はつかない。
貴方の魔法の言葉を、私は信じる。

ヴァロンはギュッと一度強く私を抱き締めると、少し身体を離してゆっくり瞳を合わせた。
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