夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……いいえ。
それは、絶対にあり得ないと思います。」
首を横に振って、私は答える。
「私達は、私達だから一緒に居られた。
あの日この隠れ家で出会えて、たくさんの時間を共有出来たんだと思います。」
私が私だから、ヴァロンがヴァロンだから共にいられた。
こんなにも君に惹かれて、特別だと思った。
同性だったから互いに見られた大切なものも、絶対にあった。
私のヴァロンへの想いは、性別でも、身体でも、見た目でもない。
ただ、愛している。
「……。
だよな!…俺も、そう思う。」
私の返事を聞いて一瞬無邪気に笑ったヴァロン。
けれど、すぐに気持ちを切り替えた様に姿勢を正すとスッと私に頭を下げた。