夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
今回は急だったのですぐに渡せる仕事をお願いしたが…。
ヴァロンの事だ、きっと物足りていない。
次は”もっと難しい仕事がしたい”と言ってくる筈だ。
そう思った私が検索していると、再びヴァロンからのメッセージ。
胸を弾ませて確認すると…。
”ああ、ありがと。”
……。
思い掛け無い…。
あまりにあっさりしたその文字を見た瞬間、思わず気持ちが沈んで動きが止まった。
「……。
そう、ですよね。
君にはもう、仕事より大切なものが…ある。」
私はそう呟いて通信機を握り締めた。
分かっていた事なのに、苦しい。
もうヴァロンには生き甲斐がちゃんとある。
アカリさんと、新しく産まれてくる命。
彼がずっとほしがっていた、家族という宝物。
……もう、いないのだ。
私と白金バッジの夢を共に歩めるヴァロンは…。