夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
どれ位振りだろうか?
普段私は帰りが遅いし…。
ホノカさんの言う事をしっかり聞くミライは、いつも私が帰宅する頃には夢の中。
久々に一緒にベッドに横になると、彼の成長を実感する。
少し前まで赤ちゃんだったのに、背も伸びて…。
よく女の子に間違われていた可愛い顔が、最近では少しずつ男らしい顔付きに変わってきた。
……特に、ヴァロンに弟子入りしてから。
立派な師匠との出会いがミライを明らかに変えてくれた。
見る人を惹き付けて、変える…。
ヴァロンの不思議な魅力。
……。
またヴァロンの事を思い出してしまう。
そんな自分を振り払う様に、眼鏡を外し目を閉じると…。
横向きに寝転んだミライがじっと私を見ていた。
「?……どうしました?」
「ヴァロンさん。
夢の配達人辞めちゃうんですか?」
眠れないのかと気にかけようとした私に、ミライが言った。