夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「!…お父、さん?
っ…お父さん、どうしたのっ…??」

私の涙を見てオロオロするミライ。

言葉が出なくて…。
私はただただ…。
ミライの小さな身体を強く抱き返していた。


嬉しさと同時に…自分が、恥ずかしかった。

愛おしくて大切な宝物がこんなに近くにあったのに、気付かなかった自分。
今まで見ようとしていなかった自分。


私は、いつも自分ばかりで…。
勝手に決め付けて、諦めて…。

臆病な自分を隠して、目を逸らし続けていたんだ…。


この子はずっと私を見ていてくれたのに…。

そして…。
ミライをこんなに優しく立派に育ててくれた、掛け替えのない大切な人の存在からも…。

私はずっと逃げていたんだ…。



……。
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