夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
……。
ずっと、ヴァロンだけだと思っていた。
彼だけが、私の胸を震わせてくれる”特別”だと思っていた。
私の気持ちに気付いても、ずっと変わらず居てくれるのはヴァロンだと…。
私の1番傍に居て、私に気付いてくれるのは彼だと…思っていた。
……。
じっと見つめたままの私に、ホノカさんは急に恥ずかしくなったのかパッと手を離すと…照れた様に微笑んだ。
その表情を見た瞬間…。
私の中にある記憶が蘇ってきた。
子供の頃、隠れ家の広場でヴァロンと毎日の様に組手をしていた時の事。
「……あの子、また見てますよ。
相変わらずヴァロンはモテますね。」
物陰から遠慮がちにこっちを見ている少女に気付いて、私がヴァロンにそう言うと…。
”……お前、馬鹿だな。
あれはどう見ても、お前を見てんだよ。”
…呆れた様に、ヴァロンが言ったんだ。
〈回想終了〉