夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
結婚する気もなかった。
たまたま暫く滞在した場所で知り合った女。
……いや、まだ少女の様だった。
彼女の歳も詳しい事も何も知らない。
相手が無抵抗なのを、何も言わないのをいい事に…好き勝手やっていた。
「誰でも、良かった。
……。ワシとお前は、違う。」
自分のやりたい事を見付けて彼女の元を去り。
1年以上過ぎてふと近くを通りかかった時、彼女の死を知った。
子供を…。
シュウを産んで、亡くなっていた。
「お前は、お前じゃ。
…後悔だけせん様に、生きろ。」
そう呟いた瞬間。
ウィール内のボールがカツンッと跳ねて…。
赤の27に、入った。
……。
遊びや賭け事はこんなに思い通りになるのに…。
人と人は何故、なかなか思い通りにいかないのだろう?
ディーラーがワシの前に差し出した山積みのチップを見つめて苦笑いを漏らすと…。
「嘘だな。」
ヴァロンがハッキリそう言った。