夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「…だったら何で、シュウを引き取ったんだよ。……。
わりぃけど、似てねぇよな?
…”自分の子じゃない”、そう言えた筈だ。
でも、あんたはそう言わなかった。」
「……。」
ワシでさえ知らないワシの心を代弁している様なヴァロンの言葉に、あの時の光景を思い出した。
母親にそっくりのシュウを初めて見た時の事を…。
ワシを見て、シュウは微笑んでくれた。
まるで来てくれるのを待っていた様に、ワシに向かって必死に手を伸ばしてくれた。
あの時、確かに感じた暖かい気持ち…。
「…あんたは信じてたんだろ?
彼女が産んでくれたのは自分の子供だって。
……。
それに…。
仮に自分の子供じゃなくても、良かったんだ。
彼女が産んだ子供だから引き取った。
……それが愛じゃなきゃ、何なんだよ?」
ゆっくり見上げたワシに、そう言ったヴァロンが微笑った。