夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

まるで自分自身の事の様に、ワシの心の答えを出してくれた。

あの暖かい気持ちが、愛だと…。


「…シュウは同情や哀れみで育った奴じゃない。
ちゃんとあんたから愛を教わったからあんなに優しくて、俺みたいな奴とずっと一緒に居てくれんだよな!」

弾む様なヴァロンの口調と共に、ずっと心の中にあった重りが…軽くなるのを感じる。

後悔と、罪悪感の塊。
もしも人生の最期に彼女にもう一度逢えるなら、なんと言おうか…。
ずっと考えていた。

”ごめん”、”すまなかった”…。
そんな謝罪の言葉しか思い浮かばなかった。


……けど、違った。

1番伝えるべき言葉。
1番伝えたかった言葉は…感謝の言葉。

愛してくれて…。
愛を教えてくれて”ありがとう”…。


その答えが出た瞬間、涙を堰き止めていた塊が砕けて…感情が溢れ出そうになった。
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