夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

ヴァロンはワシのその想いに気付いていた。

……。

何が、似ておる。

こやつは全くワシには似ておらん。
自分の後悔を優しさとすり替えて正そうとしたワシとは違う。

いつだって誰よりも、人の気持ちを汲んで生きておる。


「…っ……。
ヴァロン、ワシは……。」

「ジジイ!
俺の幸せ願ってくれてありがとな。」

謝罪の言葉を口にしようとしたワシの言葉を遮って、ヴァロンが言った。


「…俺は、充分幸せだよ。
あんたが創ってくれた夢の配達人に出逢えたからさ!」

背を向けたまま、チラッと顔だけ振り向かせて…。
ヴァロンが微笑った。

その姿が眩しくて眩しくて、視野が滲む。


”何でも屋さん?
人に頼まれた依頼を叶えるなんて素敵な仕事!
人に夢を届ける…。
じゃあ、ギャランさんは”夢の配達人”ですね!”

昔、彼女に言われた言葉と笑顔が蘇る。
< 344 / 355 >

この作品をシェア

pagetop