夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「…リディアの事。ユイの事。
感謝の言葉しか、ありません。」

ヴァロンは、真っ直ぐワシを見て言った。


「本当にっ…。
今まで、ありがとうございました…!」

そう言って深く頭を下げるヴァロン。
その姿に、胸が震えた。


「……ヴァロン。
今、幸せ…か?……。」

思わず声が上擦る。
今にも溢れそうな涙に顔を歪めるワシを、顔を上げたヴァロンが見て…。
また、微笑んだ。


「…はいっ。とても、幸せです。」

その子供の様な無垢な笑顔。
子供の時に決して見る事が出来なかった表情。

この子は、それをようやく手に入れる事が出来たんだと…実感した。


〈回想終了〉
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