夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「……。
え?……アカ、リ?」
男性は驚いた様に私の名前を呼んだ。
その反応に、私の記憶も確実なものに変わる。
「…ユウ、さん?」
間違いない。
私が17歳まで住んでいた町のご近所さん。
五つ年上の彼は当時勤めていたお店で一緒に働いていた先輩で、いつもドジな私を助けてくれたお兄さん的存在。
私が名前を呼ぶと、
ユウさんは笑顔になって歩み寄ってきた。
「久し振りだな〜!
え?マジで?アカリがここで働くの?」
「お久し振りです。
はい、ここのパンが美味しくて…。
どうしても働きたくなっちゃったんです…!」
まさかの再会。
偶然で驚いたけど、私は素直に嬉しかった。
思わず笑顔になった私の頭を、
昔みたいにユウさんがポンポンッと撫でる。