夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
【朝/港街の広場】

「!……。」

自宅から夢の配達人の隠れ家に出勤しようと歩いていると、私はある光景に目を奪われた。

広場の中央にある噴水。
そこに一人の男性が座り、
その周りにはたくさんの小鳥達が集まっている。
太陽の陽に照らされながら小鳥と戯れる、美しい姿。


「///……。
……。ヴァロン…。」

その人物を見るだけで私の胸は跳ね上がる。
まるで一枚の絵の様な雰囲気が溢れる佇まい。

ゆっくりと彼に歩み寄り声をかける。


「……。
ヴァロン、何をしてるんですか?」

「!……。
シュウ、おはよ。」

噴水に座ったままヴァロンは顔を上げて私に微笑んだ。
そんな彼の肩や腕には何匹かの小鳥がとまっていて、よく見ると手の平にはパンくずが乗せられていた。
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