夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「…すごい、ですね。」
「?……何が?」
「いや、普通…逃げますよ?小鳥。」
驚く私にヴァロンは首を傾げる。
鳩とか雀とか、よくその辺で見る鳥ならまだしも…。
今彼の手の平から餌を食べているのはあまり人に懐かなさそうな、珍しい小鳥。
そんな小鳥が警戒もせず、側に居る。
「……小鳥にも、分かるんですね。
きっとヴァロンが優しいって、分かるんですよ。」
私は小鳥を脅かさない様に少し離れた場所からその様子を見ていた。
すると、ヴァロンが手招きして自分の隣を指差す。
「!……え?
逃げちゃいますよ?小鳥。」
「んな事ねぇよ。
平気だからこっち来いって。」
ヴァロンに誘われて私は静かに横に行くと、噴水に腰を下ろした。
小鳥達は私の方を見て一瞬動きが止まったが、再び彼の手の平から餌を食べている。
一安心。